この記事を読んでくださった読者さんからこんな質問をいただきました。
この図ってよく見るけど、いったいどういう意味があるんですか?
この図、っていうのがこれです。
これは陰陽五行論の中でもとくに五行の説明をしている図になります。
ということで今回は五行論についてご紹介
五行論はどこでうまれた?
五行論(ごぎょうろん)とは、古代中国でうまれた哲学で、この世の中のいろいろなものが「木」「火」「土」「金」「水」(もくかどごんすい、と読みます)の5つの要素に分けられるというものです。この5つの要素を五行、とよびます。五行はお互いに強めたり弱めたりしてバランスをとって成立しており、そのバランスがとれた状態が安定した良い状態、といえます。
五行がそれぞれ表すもの
5つの要素の名前は、それぞれの性質を象徴して現してくれているので、まずそれからご説明
1・木(もく):成長する木のようなのびやかでエネルギッシュな性質
2・火(か):燃え盛る火のように熱く、その熱気のように上昇する性質
3・土(ど):大地のようにすべてを受け止める、安定した性質
4・金(ごん):硬く冷たい金属のように、引き締め、まもる性質
5・水(すい):冷たい水の流れのように、下へと流れ、渇きを潤し熱をさます性質
五行の関係性その①相生(そうせい)関係
上の図の一番外側が説明している関係性です。別名母子関係ともいわれています
木生火(もくしょうか)=木が燃えて火になる
火生土(かしょうど)=燃えた灰が土に戻る
土生金(どしょうきん)=土の中で鉱物ができる
金生水(きんせいすい)=金属が冷えると空気中の水蒸気が水になってあられる
水生木(すいせいもく)=水が植物を育てる
…なんか、ちょっと無理がないかい?と思ったそこのあなた。気が合いますねW(鍼灸専門学生だったは私はそう思った)
五行の関係性その② 相克(そうこく)関係
次に中心にある星型、よく見ると矢印が書いてあるのが見えますよね、それが表しているのがこの関係性です
これは「お互いに抑え合う」イメージです。
木克土(もくこくど):木の根が土を割り値を伸ばす
土克水(どこくすい):土が水のながれをせきとめる
水克火(すいこくか):水で火を消す
火克金(かこくきん):火で金属を溶かす
金克木(きんこくもく):斧で木を切る
…こっちの方はわりとしっくりきません?(鍼灸専門学生だった私はそう思った)
五行の関係性その③相侮(そうぶ)相乗(そうじょう)
この関係性は図には現れていないのですが、一応ご説明しておきます。
・相侮(そうぶ):本来は克される側が強すぎて、克す側をよわめてしまう
(例)金は木を本来抑えるが、木が強すぎて逆に金をよわめてしまう
・相乗(そうじょう):克す側がつよすぎて、克される側を弱めすぎてしまう
(例)木が土を抑えすぎて土が弱ってしまう
五行の配当
図の中で星形の少し外に肝・心・脾・肺・腎という内臓の名称がかかれています。
これが五行に配当される内臓です。これを五臓といいます。
その少し外側にも季節(五季)、味(五味)色(五色)感情(五情)がかかれていますがこれもすべてそれぞれの五行に配当されています
配当される、ということはすなわち木火土金水の性質を兼ね備えており抑えたり抑えられたりする関係性もあてはまるという感じ。
五行論を用いて治療するとはどういうことか?
はい、図の説明はここまで。
ここまできてやっと、陰陽五行論を用いた「東洋医学的な治療」についてちょっとだけ説明できます。
たとえば。
春になると、肝のはたらきがつよくなります。
すると肝の感情である怒りもつよくなり、イライラしやすくなる。
なんか春先に精神的に不安定な人が増えたりするのはこのせいです。
そして肝がつよくなりすぎることで、本来は肝を抑える役割をしている肺がよわめられれて、呼吸器の症状であるくしゃみや鼻水がでたりします。(国民病である花粉症もじつは、あながち花粉だけのせいでもないんじゃないのかも?という気もしてきますね)
はい、こうなると東洋医学的治療でどんなことをするでしょうか?
まず、強くなりすぎている肝のはたらきを弱める。
そして弱っている肺のはたらきを強くする。
そんな必要がありそうですよね?
(実際にはもっといろんな情報をあつめて、多方面からのアプローチをしますが、最もシンプルな考えたかとしてはこんな感じです)
わたしたちに最も身近な陰陽五行って?
さてさて、今回はガチで五行論についての説明をしました。かなり教科書的な説明になってしまい面白くなかったかもしれませんので最後にクイズです!
さて、なにかわかりますか~。
答えはズバリ、「1週間」です。
って簡単すぎましたかね。
木火土金水、順番違うからちょっとごまかされるかとおもいましたが(;^_^A
木火土金水はそのまま曜日になってますがあとの二つは?なんだと思いますか?
五行で5、陰陽で2、の合計7日間で1週間
ということは陰陽、すなわち月と太陽(日)!
これにて
日月火木金土、の1週間の完成でーす。
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