花咲実る鍼灸院のある古民家は、オーナーさんたちが「畑付きの古家」として購入されたものです。
古家、というと、空き家バンク等に登録されているものなどは、なかなかすごい状態の物もめずらしくないなか、かなりきれいな状態で残されていたのですが。
とはいえ、前の住人の方が病気で入院されてから6年以上、だれも住んでいなかったので、やはり初めてうかがったときは、それなりに荒れていました。
まずはやはり、残置物が多い。
おそらく親戚の方が、片づけよう、とした形跡なのか、ごみ袋に中途半端に詰められたものや、応接室に積み上げられた座布団や布団。
生活感の残る台所。
そして前の住人さんが、救急車で運ばれた後、おそらくそのままになっていたと思われる寝室は、とくに残されたものが多く。
綿棒が入れ物に入ったまま転がっていたり。
おそらく要介護状態だった住人さんが介護を受けやすいように、紙おむつや、肌着などが、タンスではなくカラーボックスに詰め込まれていたり。
使っていたベッドにはそのまま布団が残されていたり。
そして、この部屋でおそらく食事もされていたのか?その部屋にだけ多量のネズミのフンが散らばっていました。
縁側の床板は、経年劣化で縮んでしまったのか、隙間だらけで下の地面が見えるほどでした。
玄関にはなぜか雀が1羽、息絶えていました(;^_^A
とまぁ、こんな感じで、状態はいい、とはいえやはり長年人がすまなかった家の独特な雰囲気はありましたが、昔の日本家屋ならではのりっぱな床の間や、欄間、ガラス障子、大きな重い瓦屋根をささえる立派な柱や梁、などは見ごたえがありました。
初めて足を踏み入れさせてもらったのが2023年の夏。
そしてその年の11月、所有権がオーナーさんに正式にうつってから、本格的にこの家の再生に、オーナーさんご家族と共にとりかからせてもらいました。
今振り返ってみると、大変、といえば大変。
でも、とてもおもしろく、たのしく、貴重な体験でした。
ただ私の記憶のなかの思い出、としてしまうのは、もったいないので。
少しずつでも記録として残しておきたいなぁと思います。
時が止まっていた古家も、人の手がはいり、メンテナンスすればまた生き生きと輝きを取り戻します。
人の身体も、心も時には色々な形でメンテナンスをすることで、本来の力をとりもどせることもある。
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