薬膳における五性とは？

おくすりごはんシリーズをよんでくださった読者さんから

五性ってなんですか？

というご質問をいただきました。

ということで解説いきまーす

五性とは

薬膳における「五性」とは、読んで字のごとく食材の5つの性質、をさします。

性質といってもいろいろありますが、薬膳における五性は、身体を温めるか冷やすか、という程度を5つにわけたものです。

各性質ごとの説明と、代表的な食材をあげていきまーす。

代表的な食材：スイカ、キュウリ、緑茶、昆布
作用：体内の熱を冷まし、炎症を抑える
こんな時におすすめ：夏の暑さ対策、のぼせやほてりの改善
注意点：冷え性の人や胃腸が弱い人は摂りすぎないでください

代表的な食材：トマト、ナス、梨、大豆
作用：体の余分な熱を取り、潤いを与える
こんな時におすすめ：軽いのぼせや乾燥対策
注意点：寒性ほど強い冷却作用はないですが、冷え性の人は食べ過ぎに注意

代表的な食材：お米、小麦、キャベツ、豚肉
作用：特に体を温めたり冷やしたりしないため、バランスがよく、日常的に摂取しやすい。
こんな時におすすめ：どんな体質の人にも適応。

代表的な食材：鶏肉、シナモン、ニラ、黒糖
作用：血行を促進し、冷えやすい体を温める。
こんな時におすすめ：冷え性、胃腸の冷え、寒い季節。
注意点：暑がりの人や炎症がある場合は控えめに。

代表的な食材：唐辛子、ラム肉、ショウガ（大量）、ニンニク
作用：発汗を促し、代謝を高める。
こんな時におすすめ：極端な冷え、寒い環境での体温維持。
注意点：摂りすぎると体内に熱がこもり、のぼせや炎症を引き起こすこともあります

そんなにむずかしくはないとおもいますが、

寒：さむ～くなるほど冷やしてくれる
涼：ほどよく涼しくしてくれる
平：いつも平静なバランサー
温：ほんのり温めてくれる
熱：アツアツにしてくれる

というイメージだと間違えにくいかもですね。

真っ先に思いつくのは夏のスイカ、キュウリなどですね。食べると身体をひやしてくれて、暑さで火照ったあたまがすっきりしますよね。

逆に寒ーい冬は身体をあたためてくれるショウガや根菜類。ポカポカにしてくれます。

面白いのは肉類。
寒ーい北海道では特に体を温める作用の強い肉、羊をつかったジンギスカンが郷土食になっていて、肉の中でも温める作用の弱い豚は沖縄や九州でよく食べられています。

なんか、理にかなってるなぁ。

理にかなっているということで、、旬の食材を食べておくのが良い、ことが多いのですが、気を付けたいのが秋が旬の柿！

これから冷えてくるのに、なんとその性質は「寒」
さむ～くなるほど身体をひやしてくれちゃうのです。

くれぐれも食べすぎにはご注意を！

身体をあたためたり、ひやしてくれる食材ごとの性質、というのは現代の栄養学的には、食材が含んでいる物質の性質を調べることで解明されていますが、この五性とほとんど矛盾しないのです。

顕微鏡や、化学薬品などがなかった時代、実践と検証を繰り返して得られた結果、というのは、やっぱりある意味とっても科学的、といって過言ではないなぁ、って思いますね。