治療室に関しては、壁も塗り終わり。
ドアも畳も入り、襖の張り替えも完了。
家具もとりあえず入りすっかり治療院らしくなりましたが。
だんだんきれいになっていくと、残された汚いところに、目がいってしまうのがものです。
それは、治療院に続く廊下も兼ねた縁側の壁。
この壁の状態が非常に悪かったのです。
ドアを開け閉めする振動でパラパラとこぼれ落ちる。
掃いても掃いてもいつも砂だらけでした。
少しつつくとぼろっと塊で崩れてくるような場所があり、やはりお客さんを迎えするにあたって、この状態はダメだろうと言うことになり。
結局その壁も漆喰で塗ることになりました。
壁塗り再びです。
幸い部屋に比べると壁の面積は少ない。だから、きっとすぐ終わるだろう。最初はそう軽く考えていたのですが。
この壁の元々の状態の悪さが作業をより困難ものなものにしていくのでした。
まずあまりにもボロボロと崩れる状態の壁に、下地剤を塗ってもどんどん壁が剥がれてきてしまうのは明白だったので、とりあえず剥がれるところははがします。
…はがれるところははがします。
…どこまで剥がれるの?
そのうち、砂の層を通りこし、下の土まで出てきました。
もうちょっとで貫通するのではないかと言うほどの大穴が空いた場所もありました。
もうキリがないので、ある程度のところで諦めました(^^;;
次に貫通するほどに大きくて深い穴の上に、そのまま漆喰を塗っても、穴は塞がらず、凹んだままになってしまうので、その凹みを埋めるための補修剤を塗っていきます。
この補修がいろいろ調べたのですが、よくわからず、今回は結局ボンドのようなもので塗り固めるという、おそらくあまり正しくはないやり方で穴埋めをしました(;^_^A
そしてやっと下塗り。
スポンジローラーに再び登場のアクドメ―ルを染み込ませて塗っていきます。すると、はがしきれなかった。砂や土がどんどんとスポンジローラーについていきます。まるでコロッケにパン粉をまぶしているかのようにローラーにどんどんどんどん砂がついてぶっとくなっていくのです。
うーん、前とはちがう。ちがうけど、やるしかない。
剥がれかかった砂壁はアクドメ―ㇽをよく吸い、面積的には1本で足りるはずだった液が全然足りない。
うーん、しょうがない、またネットでぽちっと1本購入です。
部屋と比べると1/4くらいしかない壁なのに、なかなかおわらない下地塗り。そんな思ったよりも大変だった下塗り作業のつぎは、ふたたびの漆喰塗りスタート。
下地をぬりおわったら、あとはラクかとおもいきや、脆弱になった壁に漆喰を塗る作業は、最初のしっかりした壁に漆喰を塗る作業に比べると大変気を使いました。
うっかりコテを壁に当ててしまうと、壁がぼろっと剥がれてきそうだし、漆喰をのばしていくときにも、ゴリゴリと壁をこすらないように適度な厚みを持って優しく伸ばす必要がありました。
途中剥がれてきた砂が漆喰に混ざりボコボコになって汚くなったり、すでに廊下はピカピカのフローリングに張り替えてあったので、傷や汚れをつけないかヒヤヒヤしながらの作業。
しょうじき、しんどい。
砂にまみれ、アクドメにまみれ、漆喰にまみれ、だんだん疲弊していく心と身体、おまけに最後の日は姉も仕事で途中で帰ってしまい、薄暗い中一人での仕上げ。
もうへろへろでした。
塗り終わった感動よりも、片付けをしなければいけない、というどんよりした気持ちで、廊下の養生シートをはがしていくと…。
ぎょえー!!!
張り替えたばかりのまっさらな無垢材のフローリングに真っ黒なしみが!
そうだ!そうだった!
漆喰は無垢材に接触すると黒く変色するって、YouTubeでも言ってた!
ど、ど、どうしよう。
こんな真っ黒なしみをつけたままにすれば、いくら仏のようなオーナーさんもさすがに内心おだやかではいられないはず。
軽くパニック状態になりながら、
たしか、なんか、対処法があったはず!
と心を沈めて、グーグル先生に相談です。
あ、あった、対処法。
漆喰が無垢材を黒くする理由は、漆喰がアルカリ性で、それが無垢材の中の成分と反応しておこる化学反応の影響、だそうで。
ついてすぐのシミなら、酸性の液体をかけることで、元の色に戻る、とのこと。
そうだ!酢だ!
ということで、あわてて車を走らせて、近所のスーパーへお酢を買いに行きました。
穀物酢にするか、いや、のこりをつかうなら米酢のほうが、使い勝手がいいか、とか余計なことに妙に頭が回ります。
あれほどどんよりした疲労感はいつのまにか吹っ飛び、スーパーのお姉さんにもやけに愛想よく、「ありがとう」とあいさつをし、また車をはしらせ古民家へ直行。
そして、黒くなったフローリングにばしゃっと米酢をふりかけます。
辺りに立ち上る酢の香り。
どう?どうなの?本当にきえるの?いや、消えてくれー!!と祈るほどの間も無く
しみは、無事に跡形もなく消えたのでした。
よ、よかった~。
余りに見事にしみが消えてしまうのがなんだか楽しくなり、他にもしみがないか探しては、酢をかけ、消して感動、をくりかえし、お、そうだ、写真とってなかった、と撮ったビフォーが先ほどの、アフターの写真がこちら。
どうです?さっきの写真のなかなかエグイしみがきれいにとれているの、わかるでしょうか。
本当に心臓がバクバクするほどの衝撃、このリフォームで最大のピンチでしたが、お酢のおかげで助かりました。
これで廊下の壁も真っ白になり、無垢材のフローリング、網戸代わりの蚊帳の緑のカーテンもあいまって、なんだかとってもさわやかな縁側になったのでした。
ぜひ、この縁側もたくさんの方に利用してもらえるようになればなぁ、と思っています。
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